トウガラシの辛味成分のHPLC分析法と試料調製法
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概要
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香辛料作物としてのトウガラシ(Capsicum sp.)の特徴はその独特な辛味成分にある。したがってトウガラシの育種のためには辛味成分であるカプサイシノイド(CND)の定量法を確率することが不可欠である。そこで簡便な汎用的な高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いたCNDの定量法を検討し,確立した。まずHPLCの分析条件を検討し,変動係数2%以下の分析条件を確立した。次いで分析用試料の調製法を検討し,36℃で4日間通風乾燥した果実を20秒間粉砕後,酢酸エチルとアセトンの等量混合液で60分間抽出する方法を決定した。さらに分析用果実の採取法を検討するためにCDN含量の果実間変異を明らかにした。その結果,遺伝的変異の少ない育成品種では,個体ごとに収穫する必要はなく,収穫した全果実から無作為に選んだ10果実程度をまとめて分析すればよいと考えられた。なお,トウガラシでは完全な自家受粉ではなく,一部他家受粉が生じていることから,人為交配を行いメタキセニアの有無を調査したところ,メタキセニアは認められず,放任受粉により得た果実を定量分析に使用できることを確認した。
- 信州大学農学部の論文
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