卵巣ホルモンが着床遅延マウス胚盤胞の成長と分化に及ぼす影響
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概要
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マウス・ラットの受精卵の着床は,泌乳,または,卵巣除去により遅延する。着床遅延中の胚盤胞は,子宮腔内でその成長や物質代謝が抑制され,休眠状態にあり,プロジェステロンとエストロジェンを投与することにより,胚盤胞は大きさを増し,やがて着床することが知られている。ラット胚盤胞の着床前の大きさの変化については,詳細に研究されているが,マウスでは,殆ど研究されていない。本実験は,マウスにおいて卵巣除去により着床遅延を誘起し,卵巣ホルモン投与によって着床するまでの間の,胚盤胞の大きさの変化を胚盤胞および胚盤胞腔の長軸,短軸,面積について調べた。その結果,妊娠2日目卵巣除去後,プロジェステロン1mgを連日投与した群(GII)で,着床はみられず,胚盤胞面積の変化は,妊娠6日目の平均値が,妊娠4日目の平均値より有意に大きかった。GIIと同様,プロジェステロン投与に加え,エストラジオール-17βを妊娠4日または,妊娠6二値に投与した2群(GIII-A,GIII-B)で,着床は,エストラジオール-17β投与後24~30時間にみられた。また,GIII-Aの胚盤胞面積は,エストラジオール17β投与後6時間間に,無処置群(GI)およびGIIと同じであったが,投与24時間後では,GIIより有意に大きかった。さらに,GIII-B肺胞盤面積も点エストラジオール-17β投与189時間以降に,GIIより有意に大きかった。これらのことから,プロジェステロンとエストラジオール-17βは,着床遅延中の胚盤胞の大きさを増大させ,また,受精卵の着床に重要な役割を果たすことが示唆された。
- 信州大学農学部の論文
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