幼虫発生量の異なるいくつかの場所でのマツノキハバチの繭の重量・繭の長径と蔵卵数に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
マツノキハバチの繭の重量,繭の長径と蔵卵数の生息地域間の比較,集団間の変異さらに,これら3つの形質間の相互関係について,長野県上伊那郡下で幼虫の発生量の異なる地域を選んで,これらの地域から集団単位に幼虫を採集して室内に持帰り飼育した上で調べてみた。1)繭の重量と繭の長径については,雌雄ともに各地域間で大きな差がみられたが,その傾向は一定であった。また蔵卵数についてもこれらとよく似た結果が得られた。2)幼虫の集団サイズと蔵卵数との間には,2地域で負の相関関係が認められたが,繭の重量と繭の長径との間にははっきりとした相関関係はみられなかった。3)繭の重量と蔵卵数との間には,高い相関関係が認められ,さらにこの回帰直線の傾きと集団の繭の重量の平均値との間には負の相関があったことから,繭の重量の変異を小さくし蔵卵数を一定化する傾向があることが示唆された。
- 信州大学農学部の論文
信州大学農学部 | 論文
- カラマツ人工林における個体間競争が直径成長と枯死に及ぼす影響
- 信州大学農学部野辺山キャンパス植物目録
- 水辺環境の保全を目的とした構内ビオトープの造成
- 伊那周辺における鳥類相とその多様性に及ぼす林道の影響
- 未熟スイートコーン種子から―新生理活性グルコシドZeaninの単離