乳糖ペプトン培地におけるLactobacillus acidophilusとEscherichia coliの好気的ならびに嫌気的混合培養と両菌株の増殖
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概要
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Lactobacillus acidophilusのEscherichia coliの増殖に対する抗菌性について筆者らは主として,L.acidophilusの菌体内抽出液を用いて検討してきた。本報ではL. acidophilusとE. coliを混合培養し,培養前後の菌数の変化からL. acidophilusのE. coliに対する増殖抑制作用を調べ,L. acidophilusの示す抗菌現象,特にヒト腸管内でのL. acidophilusの有意性確立の解析に資した。L. acidophilus IFO 3205とE. coli K 12をそれぞれ異なった菌数で乳糖ペプトン培地に接種し,37℃,24時間,好気的ならびに嫌気的条件下で培養した。培養後,選択培地により,両菌株の菌数を測定した。両菌株をほぼ同一のオーダー(10 7/ml)で接種,培養した場合,E. coliに比べ,L. acidophilusが優先に増殖し,特に,嫌気的培養下ではその傾向が著しく,24時間の培養によって,E. coliの菌数が10 7/mlから10 5/mlのオーダーに激減することを認めた。更に,嫌気的条件下ではL. acidophilusとE. coliの接種菌数がそれぞれ10 2/ml,10 8/mlとE. coliの菌数がL. acidophilusのそれをはるかに凌駕していてもL. acidophilusはE. coliに抗して増殖し得ることを認めた。
- 信州大学農学部の論文
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