加工用無支柱トマト栽培の省力化に関する研究(3)
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概要
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1.前報のSU-73型実験用加工トマト収穫機(1号機,1973年試作)にひき続きSU-74型加工トマト収穫機(2号機)を試作し実験した。2.2号機の作動原理は1号機とおよそ同じであるが,2号機は実用化を目的にして製作した。3.2号機はクローラ自走式全面1畦処理後面排出型の乗用型一挙収穫専用機であり,自走部上にかきよせ板,フィードローラ,フィードチエンおよびバーコンベアで構成された掘上・ピックアップ装置とシフタ,排出制御板からなる果実分離・茎葉排出装置,2台の逆転コンベア,スクレッパ,横出し用バーコンベア,後送りコンベアからなるきょう雑物除去・果実搬送装置ならびにホイルコンベアで構成された果実収容・コンテナ滑落装置を搭載している。4.搭乗する作業員は3名であり,うち1名は運転者で,他の2名は手選別者である。5.バーコンベアは先端部で畦の頂部を約40mm切削して株を掘りあげ,地表に転落している果実も合わせてピックアップする。6.シフタは4節回転機構によるだ円振動を行い,果実を茎から分離するとともに茎葉を移動させ機体の後方に排出する。7.逆転コンベアはシフタ直下に装着された傾斜つきの広幅ベルトコンベアでシフタから落下する果実を横出しコンベアに転落させる。ベルトは果実の転落と逆の方向に駆動され土その他のきょう雑物を排出する。8.加工トマトほ場で各種の実験を行った場合,駆動性,シフタの果実分離性能,果実搬送性能,空コンテナ供給と果実入りコンテナの滑落については良好な結果を得たが,高い畦ではピックアップロス果が多くなる欠点が認められた。9.選別者を2名搭乗させた結果,土塊その他果実以外の混入物は完全に除外できた。腐敗果や未熟果も選別したが完全にはなしえなかった。10.収穫果の表面には果実20kgあたり約150gの泥が附着していた。11.以上の結果,加工用トマト機械収穫のための育種,栽培,加工分野における研究と併行して収穫機の実用化に関する研究を続行すべきであろうと推察された。
- 信州大学農学部の論文
信州大学農学部 | 論文
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