膵石合併アルコール性慢性膵炎の経過中, 乳頭からの生検にて確診がえられた自己免疫性膵炎の1例
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概要
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症例は50歳代男性. 1995年より他院にてアルコール性慢性腸炎の診断で経過観察中であった. 2010年の腹部CTで膵石以外に, 膵周囲の被膜様構造を伴う膵全体の腫大と, 血中IgG4の上昇を認め, 良己免疫性膵炎を疑った. 内視鏡的逆行性胆管膵管造影で膵管は膵石による透亮像とその尾側膵管の拡張を認めたのみで, 自己免疫性膵炎に特徴的な膵管狭細像は得られなかった. ERP施行時に十二指腸主乳頭の腫大を認め, 生検でIgG4陽性形質細胞の浸潤を確認し, 自己免疫性膵炎と確定診断した. AIPの診断のもとステロイド治療により, 十二指腸乳頭部の腫大と血液データの改善を認めた. 膵石合併により膵管像の評価ができない場合も, 十二指腸乳頭の詳細な観察と生検が自己免疫性膵炎の診断に有用であることが示唆された.
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