パーキンソン病で長期経管栄養中に, 亜鉛製剤の投与が誘引と思われる銅欠乏性貧血・顆粒球減少をきたした1例
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概要
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症例はパーキンソン病で長期経管栄養中に銅欠乏症による大球性貧血と顆粒球減少をきたした79歳女性. 経静脈的な銅の補充を行ったところ, 血球の異常は速やかに改善した. 維持療法として経管栄養内にココアを添加し経過観察していたが, 約1か月後に顆粒球減少が再燃した. 消化管からの亜鉛製剤 (ポラプレジンク, 商品名プロマック) と銅の吸収競合の可能性が疑われ, 亜鉛製剤の投与を中止したところ, 約1か月後に顆粒球数は回復した. 現在は経腸栄養剤のみで経過観察しているが, 血球減少の再燃は認めていない. 経管栄養中の症例で銅欠乏性の貧血を認めることがあるが, 亜鉛製剤投与が銅の吸収に影響する場合もあるので, 注意が必要である.
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