教育ノート 企業との連携によるプロジェクト型授業の運営および大学生の学習効果について
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概要
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本学部では、2014年度のカリキュラム改訂において、大学近隣地域の企業との連携によるPBL(Project Based Learning)形式の体験型学習科目として、「地域プロジェクト実習」を開講する。これに先立ち、このような形式の授業の学習効果の検証と、運営方法の確立のため、2013年度に企業との連携によるプロジェクト型授業を実施した。 授業は、企業3社の協力を得て、2013年9月から2014年l月の約4か月間で実施した。26人が受講し、3グループに分かれて、各企業から提示されたテーマに取り組み、それぞれに成果を得た。学生へのアンケート調査の結果、多くは「今までやったこのとのない経験をしたいから」、「自分の実力が社会で通用するか試してみたいから」など能動的な姿勢で授業を履修しており、また受講したことにより、これらの期待が充足されていた。学生は、本授業により、社会人基礎力の各能力要素が向上したと実感しているが、授業の前後の比較では顕著な変化は見られなかった。学生の本授業の満足度は高く、24人中23人が「満足」または「どちらかと言えば満足」 と回答した。1グループの人数は、ほとんどの学生が「ちょうどよい」と感じていたが、現状の人数ではフリーライドする学生が出る可能性も指摘された。実施期間は、「やや短い」と感じた学生が多く、もっと時間があれば充実した成果に結びつく可能性が示唆された。 以上より、企業との連携によるプロジェクト型授業では、能動的な姿勢で履修した学生に対しては、一定の学習効果が期待できることが示され、授業運営に関しては、実施期間やグループの人数などの点でさらなる検討の必要性が示唆されたものの、本授業の運営方法がひとつのモデルになるものと考えられた。協力企業の期待や関わり方などを調査し、それらをも踏まえた授業運営方法を構築することが今後の課題である。教育ノート
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