海藻20種のアワビ稚貝に対する餌料効果
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概要
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海藻類のアワビ稚貝に対する餌料効果を明らかにするために,松島湾に産する海藻20種について,個別投餌による餌育実験を行ない次の知見を得た。1. ワカメ・アラメは稚貝の殻長及び体重の増加が最も大きく,ミル属・ムカデノリ属・アオサ・マサゴシバリも比較的良好な生長を示したが,エゾヤハズ・サナダグサ・ウスバノリなど11種類は,殻長の増加はほとんどみられず,体重はむしろ減少した。2. 生長及び増重に及ぼす餌料効率は,生長効果係数及び増重効果係数で比較すると,ムカデノリ属・アオサ・タンバノリが高い値を示した。3. 葉体を構成している蛋白質などの一般化学成分および硬軟や形態など外観的な性状と稚貝の摂餌量との間には対応関係は認められない。4. アラメを与へた稚貝の生長速度を基準として求めた"アラメ当量"は藻類のアワビ稚貝に対する餌料価値の一般的比較基準として有効であろう。
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