圃場におけるダイズ茎疫病圃場抵抗性検定法の開発
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概要
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ダイズ茎疫病はPhytophthora sojaeによる水媒伝染性の病害であり,本病害に対する抵抗性には,レース特異的な真性抵抗性とレース非特異的な圃場抵抗性が知られている。本研究は,水田転換畑で夏季に多湿土壌処理を実施し,真性抵抗性の影響を受けずに北海道品種の圃場抵抗性を検定する手法の開発を目的とした。本検定における抵抗性の指標には,2006~2007年において発病度との間に極めて強い正の相関を示し(r=0。992**~0。981**,n=35~37),かつ調査の簡便な枯死個体率が適切であると考えられた。北海道の既報10レース全てに感受性の16品種の2006~2007年における枯死個体率の順序は概ね安定しており,これらを圃場抵抗性に基づいて3ランクに分類し,6つの指標品種を選定した。2006~2009年の枯死個体率にはどの2カ年の間でも有意な正の相関がみられたが(r=0。542**~0。839**,n=26~57),抵抗性ランクが年次により異なる品種が17。1~34。6%認められ,2カ年以上の結果から総合評価する必要があった。北海道の主要レースA,Dに対する真性抵抗性反応が明らかな品種およびレース判別品種を用いた解析では,圃場と真性の両抵抗性の間に一定の関係が認められず,本検定法では真性抵抗性の影響を殆ど受けずに圃場抵抗性を評価できることが明らかになった。本研究で開発した手法は,北海道主要品種の圃場抵抗性評価と併せて,ダイズ茎疫病圃場抵抗性の品種開発に活用できる。
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