トウモロコシのフリント種自殖系統「Ho90」の育成とその特性
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概要
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耐倒伏性およびすす紋病抵抗性に優れるフリント種のF1親自殖系統「Ho90」を育成した。「Ho90」はフランスからの導入F1品種「ライサ」と北方型フリント種の自殖系統「To38」との交配組合せを母材として育成された。1992年に道総研十勝農試において育成を開始し,すす紋病抵抗性,耐倒伏性,雌穂特性などについての系統および個体選抜と自殖による固定化を進め,1998年にS5世代種子を得た。1999年にはこの種子を北農研に引継ぎ,1世代の自殖と選抜を行って固定系統とした。2001年以降各種特性検定を行ってその優秀性を確認した。粒質は"フリント",早晩性は北海道では"早生"に属する。耐倒伏性は"強"~"極強",すす紋病抵抗性は"極強"である。ごま葉枯病抵抗性は"やや強",黒穂病抵抗性は"強"である。初期生育は"中",稈長および着雌穂高は低く,稈径はやや太い。雌穂は円筒形で,粒列数は平均12。4列である。採種量はやや低いがF1の花粉親としては実用的な水準にある。花粉飛散程度は"中"である。組合せ能力は高い。本系統を花粉親として,初期生育に優れ,耐倒伏性とすす紋病抵抗性が強く多収な"早生の早"の単交雑F1品種「たちぴりか」が育成された。
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