高度不飽和脂肪酸と鶏肉とのおいしさの関連性の解明(第1報)比内地鶏とブロイラーの肉質評価
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概要
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比内地鶏は一般的なブロイラーより官能評価が良好である。本研究では,鶏肉のおいしさに影響する要因を特定するため,比内地鶏とブロイラーのもも肉における一般成分,遊離アミノ酸,イノシン酸,脂肪酸組成の分析および官能評価を行った。比内地鶏とブロイラーを同じ日にふ化し,(1)8週齢ブロイラー区,(2)22週齢ブロイラー区,(3)22週齢比内地鶏区の3区を設定した。比内地鶏とブロイラーを同じ環境下で飼育し,8および22週間同じ飼料を給与した。8週齢ブロイラー区は22週齢比内地鶏区より遊離アミノ酸とグルタミン酸含量が有意に高かった。22週齢比内地鶏区は8週齢ブロイラー区よりインシン酸含量が有意に高かったが,22週齢比内地鶏区と22週齢ブロイラー区に有意な差は認められなかった。これらの結果からイノシン酸含量は肉用鶏間の違いよりむしろ日齢(週齢)間の違いを反映していることが示唆された。一方,アラキドン酸含量は比内地鶏とブロイラーとの間で有意な差が認められた。また,「蒸し肉」あるいは「スープ」の官能評価においても22週比内地鶏区は22週ブロイラー区より有意に味,うまみ,こくみ,後味が強く,嗜好性が高かった。これらの結果からアラキドン酸が比内地鶏のおいしさに関与している可能性が示唆された。しかしながら,比内地鶏のアラキドン酸含量とおいしさとの関与を解明するためには更なる研究が必要である。
- 秋田県農林水産技術センター畜産試験場の論文
秋田県農林水産技術センター畜産試験場 | 論文
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