ブドウ「ピオーネ」の着色向上法
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概要
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温暖化が進行する中において、本県の代表的なブドウ品種である「ピオーネ」を始めとした黒色大粒系品種については、着色不良による品質低下が問題となっている。そこで、着色向上を目的としたいくつかの対策を検討した。1)環状剥皮は満開後30~35日に主幹部へ2cm幅で行うことでの着色は明らかに向上した。しかし、連年処理すると樹勢の低下により果粒肥人やBrix等の品質が劣る場合がある。処理は開花始め期の新梢長を目安とし、1m以下の樹勢が低下した樹への処理は避けることが必要である。2)ABA剤の果房散布により着色は向上した。しかし、それに伴ってBrixが低下することが認められること、さらに、処理適期が袋かけ後となるため処理作業が繁雑となることから、現状での実用性は低いと判断された。3)遮光率30%未満の資材の展張で棚面の昼温は2℃程度低下し、着色向上効果が認められた。しかし、効果は十分とはいえないため、さらに優れた資材(遮光率が高く、温度上昇抑制効果が高い)の開発や、大規模処理による効果の検証が必要である。4)「部分的着色障害」は果実肥大初期から着色期にかけての高温あるいは日射と薬液等の果粒への付着が原因であると推察された。対策は、早期袋かけが効果的である。
- 大分県農林水産研究指導センターの論文
大分県農林水産研究指導センター | 論文
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