モモ'白鳳'の高糖度園と低糖度園の実態並びに高糖度果実生産要因について
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概要
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JA紀の里農産物流通センター選果場の2007年の'白鳳'選果データを基に,選出した紀の川市内の高糖度園および低糖度園について2008~2009年の2か年の実態調査を行い,高糖度園および低糖度園の特徴並びに園地平均糖度に関連性の高い要因について検討した。1。2008~2009年の2年間の調査園の選果平均糖度は,高糖度園平均が11。1~11。3度あり,低糖度園平均に比べ0。7~0。8度有意に高かった。2。6月下旬の採取葉の葉重には有意な差が認められなかったが,葉面積は高糖度園に比べ低糖度園で有意に大きかった。樹冠下の相対照度は低糖度園に比べ高糖度園で有意に高かった。5月下旬~7月下旬の葉中窒素含量には,2008年には両園地間に有意差は認められなかったが,2009年には6月下旬以外の低糖度園で有意に高かった。また,7月下旬の葉中カルシウム含量は2か年とも高糖度園に比べ低糖度園で有意に高かった。3。土壌の交換性苦土含量は高糖度園に比べ低糖度園で有意に高く,仮比重は,低糖度園に比べ高糖度園で有意に高かった。また,易有効水分量は高糖度園に比べ低糖度園で有意に高かった。土壌の無機態窒素含量,アンモニア態窒素含量および硝酸態窒素含量には両園地間に一定の傾向がみられなかった。4。5月下旬から収穫期の果実の全ポリフェノール含量は,2か年とも低糖度園に比べ高糖度園で高い傾向にあった。果肉中の窒素含量は高糖度園平均が0。64~0。68%,低糖度園平均が0。83~0。86%と2か年ともに高糖度園に比べ低糖度園で有意に高かった。また,収穫盛期は2か年ともに低糖度園平均が高糖度園平均に比べ3~5日有意に遅れた。5。調査園の園地の選果糖度と相関が認められた調査項目の内,葉面積,樹冠下の相対照度および土壌の易有効水分量,5月下旬の果実の全ポリフェノール含量並びに収穫果の果肉の窒素含量は園地糖度との関連性が高いと考えられた。
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