黒毛和種供胚牛の年齢と発情後7日目回収胚の発育ステージの関係
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概要
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2006年度から千葉県肉牛生産農業協同組合を事業主体として実施した「県産和牛ブランド化推進事業」について、2009年度までの4か年、延べ87頭の採胚成績を供胚牛の年齢の観点から分析した。採胚成績では、1採胚当たりの回収胚数(以下、平均回収胚数)が16。7個、1採胚当たりの正常胚数(以下、平均正常胚数)が9。0個で、全国的な成績(平均回収胚数:13。5個、平均正常胚数:8。2個、2008年度の全国体内受精卵移植実施状況)を上回った。供胚牛の年齢と採胚成績について分析した結果では、平均回収胚数及び正常胚率は年齢が上昇すると低下し、11歳を超えると正常胚率は50%を下回った。また、凍結保存が可能なAまたはBランク胚の1採胚当たりの回収数(以下、平均AB胚数)は4。5個となった。供胚牛の年齢と発情確認後7日目に回収した胚の発育ステージの関係では、回収した正常胚に発育ステージに応じた発育係数を設定し、採胚毎の平均発育係数を求めて採胚の発育値として計算したところ、供胚牛の年齢と発育値に負の相関が確認(P<0。01)され、回帰式y=-0。0778x+7。0036(R2=0。2528)が得られた。以上のことから、黒毛和種では11歳未満の牛を供胚牛として選抜することが効率的な採胚を行う上で重要であることが確認された。また、供胚牛の年齢と胚の発育ステージの関係では、同じ7日目の採胚であっても若い供胚牛からは発育の進んだ胚盤胞が、高齢な供胚牛からは発育の遅れた後期桑実胚が回収される傾向が確認され、胚回収後の新鮮胚移植や凍結保存処理を計画的に実施するためには、採胚を計画する上で供胚牛の年齢を考慮することが必要であることが示唆された。
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