メキシコ・カリフォルニア半島コモンドゥ地域における灌漑農地の土壌塩類化の実態と要因解析 (シンポジウム特集 乾燥地における土壌塩類化の問題と対策--世界の現場からの報告)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日射が豊富な乾燥地域では作物生育の制限要因となる水と養分が適量与えられれば、高い乾物生産が期待できる。しかし、乾燥地における灌漑は諸刃の剣であり、その管理が適切でなければ土壌は塩類化を引き起こし、作物生産性が著しく損なわれ、最悪の場合、土地は不毛化してしまう。メキシコ合衆国北西部、カリフォルニア半島南部に位置する灌漑農業地帯において、土壌塩類化の危険性と現状を土壌特性と灌漑管理の関係から説明するための簡易な土壌診断法を開発する研究を現在進めている。当地は、年平均降水量が200mm未満の乾燥地であり、作物栽培には灌漑が必須であるが、河川など地表水として常時存在する水資源は無く、常時アクセス可能な水資源は地下水に限られている。過剰な地下水の取水が水質悪化と土壌塩類化の問題を引き起こしているが、湛水害の問題はほとんど無く、灌漑と塩類の集積の関係をシンプルに捉えられるサイトである。本報告では、基礎調査として行った灌漑農地の土壌塩類化の実態と塩類化要因としての土壌理化学性、灌漑水の水質との関連性について紹介する。
- 土壌物理学会の論文
土壌物理学会 | 論文
- 田面水の対流速度を測定する装置の改良
- サーモモジュールを利用した土壌中の熱フラックス測定
- 水田土壌のEh測定に用いる白金電極の反応
- 水ストレス及び塩ストレスがダイズの茎内流量に与える影響
- 自動サクション制御による不飽和砂質土壌中の下方浸透水採取装置の開発