茶ガラ給与が豚の生産性と肉質に及ぼす影響
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概要
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日本人はお茶を多用し、排出される茶ガラの量も年間で2,000トンと推定される。茶ガラは産業廃棄物として、その処理は深刻である。一方で、茶は健康に有用で、抗ガン作用も確認されている。また、抗貧血効果や脂質改善効果があることもラットでは認められている。この茶ガラを豚の飼料に添加し、豚に及ぼす影響について確認した。試験に用いた茶ガラは太陽化学より提供されたもので、体重67kgの豚20頭を用いて61日間にわたって給与(試験区10頭、対照区10頭)した。試験期間中に2週間に一度の体重測定と血液検査を行い、さらにふん性状についても調べた。そして、197日齢でと殺解体し、枝肉成績、肉質成績、肉中の脂肪酸組成、肉中コレステロール含量を調べた。生産性のうち、増体重は試験区34.9kg、対照区38.1kg、飼料要求率はそれぞれ3.93、3.87であった。血液検査の結果、貧血と栄養状態を反映する項目、肝機能と腎機能を反映する項目、脂質代謝を反映する項目とも両者間に有意な差は認められなかった。ふん性状は、両区間とも発育中の変化は見られなかったが、アンモニア濃度は試験区の方が低かった。肉質は、枝肉成績、肉質成績ともに両区間に差は認められなかった。肉中コレステロール含量は、試験区は対照区よりも15%低い結果が得られた。肉中脂肪酸組成は、コレステロール含量に影響するミリスチン酸が試験区の方が低かった。以上の結果より、茶ガラは豚の飼料原料として可能性があり、コレステロール減量や健康に相応しい飼料資源として有望である。
- 日本家畜衛生学会の論文
日本家畜衛生学会 | 論文
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