久高島における伝統的信仰と高齢者福祉をめぐる現状―エンド・オブ・ライフケアとスピリチュアルケアの視点から―
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概要
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本稿は、高齢者福祉におけるスピリチュアルケアの重要性について、久高島の高齢者を事例として取り上げ、以下のように論じた。Ⅰ.ホスピス・緩和ケア、スピリチュアルケア、エンド・オブ・ライフケアホスピス・緩和ケアは、がん患者の持つ身体的な痛み、心理的な痛み、社会的な痛み、スピリチュアルな痛みに対する全人的ケアであるが、本稿では主にスピリチュアルな痛みに注目して高齢者福祉について考える。その為にはがん患者だけではなく、非がん患者も対象とする全人的ケアという視点が必要になるが、エンド・オブ・ライフケアがまさにそのような視点を提供している。そこでまずこの節では、「ホスピス・緩和ケア、スピリチュアルケア、エンド・オブ・ライフケア」について、それぞれどのようなケアであるのかを考察した。Ⅱ.久高島での調査結果及び考察Ⅰの考察に基づいて、ミニディサービス「ふばの里」に参加されている要介護のお年寄り達に対し、「島に対する愛着度」、「健康状態」、「拝みについて」、「終の棲家」などスピリチュアルな信仰とエンド・オブ・ライフケア、在宅福祉サービスについての現状を調査した。その結果、エンド・オブ・ライフケアの視点からのスピリチュアルケアの必要性と重要性が見えてきた。Ⅲ.特別養護老人ホーム「しらゆりの園」における介護の取り組み久高島では家族介護が困難となり要介護状態になったお年寄り達は、島外の入所施設に移らざるを得ない状況となってくる。そのような場合、久高島の見える南城市知念の「しらゆりの園」に入所を決めることが多かった。施設職員の「寄り添うケア」を受けつつ、スピリチュアルな安寧の中で生涯を閉じられる久高島のお年寄達の事例について考察した。
- 沖縄大学地域研究所の論文
- 2013-09-30
沖縄大学地域研究所 | 論文
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