生物多様性の主流化のための地方公共団体の役割に関する一考察―沖縄県による生物多様性地域戦略の策定を例に―
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概要
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経済・開発活動、人間の自然に対する関心・働きかけの減少等を要因とする生物多様性の減少が、地球・国家・地域規模で問題となっている。国際平面では、生物多様性条約が締結され、生物多様性の保全と持続可能な利用の両立が条約の目的とされた。また、生物多様性条約締約国会議で生物多様性の損失を防ぐための具体策が議論、決定されてきている。また、国内平面では、同条約6条に基づき各締約国は、国家戦略を策定し条約を履行することが求められる。日本も5次に亘り生物多様性国家戦略を策定し、さらに生物多様性基本法を制定し、同条約の国内履行を推進している。生物多様性基本法では同条約の国内履行を進めるため、地方公共団体が生物多様性地域戦略を策定することが規定される。このような取組みは、生物多様性の保全とその持続可能な利用という考え方を身近な市民生活レベルでの社会経済活動に組み込み、条約目的を実現するための活動を多様な主体により推進する「生物多様性の主流化」を実現するための一手段である。本稿は、地域の多様な主体による「生物多様性の主流化」を実現するため、地方公共団体がどのような取組みを講じているかについて、沖縄県による「生物多様性地域戦略」の策定過程を考察することで明らかにすることを目的とする。本稿では、海洋環境の保全に着目し、国内法制への「統合沿岸域管理」概念の受容と沿岸域の統合的管理に関する地方公共団体の役割について概観した上で、この点に関する沖縄県による取組みについても考察する。
- 沖縄大学地域研究所の論文
- 2013-03-31
沖縄大学地域研究所 | 論文
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