通時的な投資をともなう研究開発における最適な組織形態
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概要
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小特集 : 経済学の進路本論文は通時的な研究開発プロジェクトにおける最適な組織形態について分析する。研究開発プロジェクトが基礎研究と応用研究の2つのステージを経ておこなわれる場合, 企業が選択し得る組織形態としては両方のステージを1人の研究者に委譲する統合型組織とそれぞれのステージを異なる研究者に委譲する分離型組織がある。企業が直面する問題は(1)基礎研究と応用研究のそれぞれで適切な投資を研究者に実行させる, (2)研究開発プロジェクトを基礎研究の段階で継続・停止するかを決定するために基礎研究の正しい結果を研究者に表明させる, という2つであり, 企業はこの2つの問題を考慮して最適な契約と組織形態を選択する。本論文では, 両方のステージで投資を実行させるためには統合型の組織が望ましいが, 正確な情報を集めるためには分離型組織が望ましい可能性があることが示されている。したがって, 通時的な研究開発のための最適な組織形態は, その2つの効果を比較することによって考察できる。
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