中学生のための英語のデータ駆動型学習の実践と成果
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概要
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本研究は,近年国内外で注目され,広がりを見せている「データ駆動型学習」(Data-Driven Learning:DDL)を日本の中学校へ導入する試みである。今回のDDL実践では,独自開発した易しいレベルのコーパスを利用して学習者のレベルにあった英文を選定し,日本語を併記する日英パラレルコーパスの形式で,中学生にわかりやすいコンコーダンスラインを紙に印刷して行った。また,生徒の発見を促す発見シートを作成し,言語活動の方法などに配慮した。中学1年生と3年生が実践に参加し,処置群ではDDL指導を取り入れ,対照群では通常の指導を行った。作文テストと質問紙調査を用いて指導効果を検証し,発見シートを回収して,生徒の気づきと発見の実態を調査した。実践の結果,1)DDLが英語指導に効果をあげること,2)中学1年生では,文字を媒介とした文法学習がスタートする入門期からDDLを導入可能なこと,3)3年生では,通常の英語指導方法と比べ,DDLの指導効果が高いこと等を確認した。世界的に普及が期待されるDDLであるが,我が国の中学校現場への導入は緒についたばかりである。今後は,学習者要因とDDL学習の効果の関係,適切な評価方法の開発等を追究すると同時に,年間をとおして使用可能な教材の開発も行っていきたい。
- 千葉大学教育学部の論文
- 2014-03-01
千葉大学教育学部 | 論文
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