通信制高校におけるボランティアによる学習支援
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概要
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本稿の目的は,学生ボランティアによる通信制高校における学習支援活動の実態と,学生にとっての意義及び課題を明らかにすることである。学生に対する聞き取りおよび参与観察からは,学生が,①学習支援に特化した活動を通し,教えることの難しさを実感していた事,②多様な学習歴を持つ生徒に対し先入観を持たず,アセスメントを行うことの必要性を認識していた事,③生徒が持つ学習に対する劣等感への配慮をしていた事,④成人生徒に対する言動に気を遣っていた事が明らかとなった。学生は,生徒と率直に話をできる「ななめの関係」を持つ本活動を通して,学習に限らず生徒が持つ多様な背景を知り配慮できるようになるとともに,自身の教員としての適性について改めて考えることにもなる。一方,生徒と話をする時間を持ちづらい,学習に対して積極的な生徒以外と関われない,配慮や工夫についての情報を共有できていないという活動の課題も明らかになった。
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千葉大学教育学部 | 論文
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