著明な網脈絡膜皺襞を呈したVogt-小柳-原田病の2症例
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概要
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滲出性網膜剥離が軽度であるにも関わらず、著明な網脈絡膜皺襞を呈したVogt-小柳-原田病の2症例を経験したので報告する。2症例ともに77歳女性。滲出性網膜剥離は軽度ながら両眼の後極部全体に著明な網脈絡膜皺襞を認め、光干渉断層計にて網脈絡膜のうねりが確認された。フルオレセイン蛍光眼底撮影では両眼の視神経乳頭の過蛍光と脈絡膜皺襞に一致した線状低蛍光および軽度の網膜色素上皮レベルの蛍光漏出を認めた。Vogt-小柳-原田病と診断し、ステロイド大量漸減療法を開始した。2症例ともに糖尿病を合併していたため、プレドニゾロン100mgから開始し、漸減した。治療により、ともに寛解し、網脈絡膜皺襞は完全に消失した。2症例ともに高齢であることから、滲出性網膜剥離が軽度であるにも関わらず、著明な網脈絡膜皺襞を呈するVogt-小柳-原田病の病態には網脈絡膜における加齢変化が関与していることが示唆された。
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