血液透析でeltrombopagを使用した免疫性血小板減少症の1例
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概要
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Eltrombopag(レボレードR)は、トロンボポエチン受容体作動薬のひとつであり、免疫性血小板減少症(ITP)治療における、ステロイド・脾摘に次ぐ、第三選択の治療とされている。本邦で認可されおよそ2年になるが、肝機能低下例・腎機能低下例での使用経験は少ない。とりわけ、血液透析患者での使用報告はない。今回我々は血液透析患者でeltrombopagを使用した一例を経験したので報告する。症例は80歳台男性。3年前にITPに対してH.pylori除菌とステロイド治療を施行された。経過中に末期腎不全となり、血液透析が開始された。透析導入後に血小板数が少なく、シャント穿刺部の止血が困難になった。ステロイドを増量されたが、効果不十分のためeltrombopagを導入された。導入後は血小板数が増加し、止血も良好になり、ステロイドを減量することができた.以後2年間副作用なく経過している。血液透析患者にeltrombopagを使用した報告は我々の調べる限りなく、貴重な症例のため報告する。
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