幼児の仲間関係に関する研究 : ソシオメトリッ ク地位と社会的働きかけの検討
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概要
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本研究の目的は,仲間集団からの人気度とフレンドシップに関連する社会的スキルを検討することであった。24名の年中幼児(4,5歳児)の仲間関係を測定するためにソシオメトリックテストを実施した。幼児の仲間への働きかけは,保育活動中の行動を2時点(1回目,半年後)で直接観察した。分析の前に,仲間集団からの人気度とフレンドシップは,それぞれ高群と低群に分類された。分析では,各群と仲間への働きかけを測定した時期を要因として,働きかけの下位カテゴリーを従属変数とした2 (群) x 2 (測定時期)の2要因の分散分析を行った。その結果,仲間集団から人気のある男児は,1回目よりも半年後に,「指示・提案」スキルを多く使用していることが明らかになった。女児については,仲間集団からの人気度の低い子どもは, 1回目よりも2回目に「指示・提案スキルを多く使用し,1回目よりも2回目の「分け与え」スキルの使用が少ないことが示された。一方,フレンドシップに関しては,関連する社会的スキルは見出されなかった。以上の結果から,仲間集団からの人気度については,性別の要因を考慮すること,フレンドシップに関しては,社会的スキル以外の要因を検討する必要性が示された。
- 広島国際大学心理臨床センターの論文
- 2006-03-20
広島国際大学心理臨床センター | 論文
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