西表島への移住者の生活環境に関する研究
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概要
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近年、本土から沖縄県・西表島への移住者や移住希望者が増えている。本研究では、2008年7 月30日から8 月22日までの24日間、ここ10年以内に西表島に移住した人6 名を対象として、住宅の間取り調査、および住宅と生活に関するヒアリング調査を行った。その結果、まず、移住の動機としては、「都会を逃れて、豊かな自然の中で生活したい。」というものがほとんどであることがわかった。次に移住した人たちは、移住前に何回か西表島に足を運び、また移住後も島民と親密な付き合いを続けて信頼関係を築いており、島民からの情報によって宅地や住宅を入手していることがわかった。また、住宅の主な問題点は、大雨による漏水とシロアリの食害であることがわかった。これらの原因としては、西表島の厳しい自然条件と施工不良が考えられる。西表島では、建設業者が少なく、また離島故に建築資材も高価である。したがって住宅の維持には、居住者自身によるこまめな手入れが必要である。さらに今回の調査においては、住宅の損傷調査を依頼された2 軒について、筆者が詳細な調査を行い、住民自らが対処可能な具体的なメンテナンス方法を提案した。
- 大手前大学・大手前短期大学の論文