織物の光源の違いによる色差 : C光源とD65光源の比較
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概要
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物体表面の反射光は,表面での一次反射光と,内部で繰返し反射して出て来る拡散光との和として与えられる。表面一次反射光は光源色で,拡散反射光に比較し,表面一次反射光が大きいと光源色の影響が大きく,光源の種類による色差が大きいと考える。そこでカラーブロード63色を,表面一次反射光/拡散反射光が大きいグループと,小さいグループの2つにわけて,C光源とD65光源によって色差が,どのように変わるかを検討した。その結果,次のようなことが言える。(1)表面一次反射光/拡散反射光が0.50以上のグループの方が,0.01以下のグループよりも,光源の違いによる色差が大きい。(2)これら全体の色差を色相差,明度差,彩度差に分解すると,上記の比が大きい0.50以上のグループと0.01以下のグループでは,明らかに色相差の変化傾向は表面一次反射光(光源色)と拡散反射光(物体色)の割合の違いにより異なる。(3)明度差は,全体に明度が高い0.01以下のグループは,光源の違いによる差が殆どない。このように,用いる光源によって色の違いの変化はかなり異なるので,光源の種類と色差の関連で,色の変化を論じなければならない。
- 文化女子大学の論文