1990年代におけるアメリカの貿易動向
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概要
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1980年代にアメリカの産業の競争力は低下し,世界輸入に占める比重が高まり,他方輸出に占める比重は停滞した.90年代に入ると,貿易赤字は一層拡大したものの,他の先進国が世界輸出に占める地位を低下させる中で,アメリカのそれは小幅ではあるが上昇傾向を示した.貿易相手先としてアジアの比重が全体としては低下傾向を示し,とりわけ日本の比重が低下する一方で,中国の地位が大幅に上昇している.これに対して,カナダ,さらにとりわけメキシコの比重が上昇することになった.品目では,輸出入共に機械の比重がさらに高まり,その中でも比重の相対的に高い電気機械については黒字に転換していった.すなわち,90年代におけるアメリカの貿易は,アジア域内やNAFTA域内を中心にした国際分業関係の変化を背景にして展開した.世界的な対内外直接投資により,機械貿易の内容は一層多岐にわたるものとなっている.アメリカ経済ないし産業の世界的地位の変化が示されているのである.
- 立正大学経済学会の論文
- 2005-11-30
立正大学経済学会 | 論文
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