リンドウ属種子の発芽に関する研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
切花用に栽培されるエゾリンドウを含むGentiana属9種について,種子の発芽条件を調べた。1.エゾリンドウ種子は採種直後より乾燥室温貯蔵360日のものまで,ほとんど発芽がみられなかった。しかし2℃6週間処理,ジベレリン50ppm溶液処理,または2℃4週間およびジベレリン50ppm溶液処理を行ったものでは貯蔵期間中のいずれの時期でも発芽した。2.エゾリンドウは20℃で発芽率が最も高く,平均発芽日数も10.2日と最も短くなった。30℃でも発芽するが,10℃では発芽率は非常に低くなった。3.G. ruiata, G. grailipes, G. lagodehiana, G. pannoniaでは18℃で発芽率が最も高く,G. aetissoni, G. septemfida, G. wntarensisでは23℃で発芽率が最高となった。8℃ではG. lagodehianaが36%発芽したほかは全く発芽がみられなかった。発芽日数はG. wutarensisが18℃で最も短くなった以外は,いずれも23℃で最も短くなった。4.エゾリンドウ種子では低温処理(2℃2~8週間)またはジベレリン処理(25~200ppm)によって発芽率が高められ,ジベレリン処理濃度の高いほどよく発芽する傾向がみられた。さらに両者の組合せにより,より高い効果が得られた。ジベレリン処理は低温処理後に行う方が効果が高かった。5.G. septemfidaでは2℃4~6週間の低温処理で発芽率が高められた。ジベレリン50ppm処理はやや発芽率を高めるが,明確な傾向は認められなかった。6.エゾリンドウ種子では暗黒下におくよりも照明下においたほうが発芽率が高かった。また弱光(1lux以下)よりも強光(約1080lux)で照明したもののほうが発芽率が高かった。証明期間は1日では効果は少なく,連続照明によって高い効果が得られた。7.G. aetissoni,G. ruiateでは明暗によって発芽率に差は認められなかったが,G. aetissoni,G. ruiataでは明暗によって発芽率に差は認められなかったが,G. tibetiaでは新しい種子,古い種子ともに暗黒下では全く発芽せず,照明下でのみ発芽がみられた。
- 信州大学農学部の論文
信州大学農学部 | 論文
- カラマツ人工林における個体間競争が直径成長と枯死に及ぼす影響
- 信州大学農学部野辺山キャンパス植物目録
- 水辺環境の保全を目的とした構内ビオトープの造成
- 伊那周辺における鳥類相とその多様性に及ぼす林道の影響
- 未熟スイートコーン種子から―新生理活性グルコシドZeaninの単離