ポリグラフによるDDT急性中毒時の症候と意味づけ
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概要
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供試動物としてモルモットと家兎を使用して,市販のDDT油剤による急性中毒時の生理現象の変化を観察した。観測項目は心拍数(心電図),呼吸数(呼吸気流曲線),血圧,体温,筋電図および脳波である。成績の概要を要約すれば,つぎのとおりである。1.腹腔内投与による本剤のLD50はモルモット400mg/kg,家兎120mg/kgで動物の種類によりかなりの差があった。2.投与量の多寡に関係なく,投与後数分で苦悶し,流涎,流涙が認められた。3.モルモットは中毒症状の発現と同時に,心拍数と呼吸数が減少し,血圧が低下した。これは主として添加剤DDVP(有機燐剤)によるものと推察された。家兎では中毒により心拍数が減少し,呼吸数が増加した。これはDDTとDDVPの作用が同時に起こることによるものと考えられた。4.中毒症状が発現すると,脳波では徐波が減少して,速波が増加し,痙攣波が散発した。呼吸筋の放電は密度と振幅を増加し,心電図は調律が乱れて不整脈となり,T波の逆転,期外収縮などが現れた。
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