「知識基盤社会」における「学士課程教育」 : 基本概念の批判的検討
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概要
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近年高等教育政策と関連して頻用される「学士課程」の語は、元来、大学における第一学位(学士)未取得者を意味する比較的ニュートラルな概念である。しかし、最近の政策文書では、「知識基盤社会」という概念を下敷きにして、知識生産に適した人材育成のための標語として用いられる傾向が強い。言うまでもなく、大学の組織やカリキュラムは社会構造の変化に応じてそのつど再検討・再構築を要する。とはいえ、文教施策である以上、それはやはり文化や教育の言葉で進められるべきで、政策文書の語り口はその点が少しく曖昧であるように見受けられる。そこで本論では、さらなる議論のための手掛かりとして、「学士課程教育」と「知識基盤社会」の二つの概念について歴史に遡って批判的考察を試みた。 It has been one of the crucial issues on higher education policy in Japan how the undergraduate education should be established in the knowledge-based society. According to recent reports by Councils for Education, undergraduate curriculum should be adapted to the human resource development in response to the expectations of society. However, it is doubtful whether that kind of argument is appropriate for the culture and education policy. Thus, in preparation for further discussion I here study the origins of and correlation between the two concepts, i. e. 'undergraduate' and 'knowledge-based society'.
- 京都女子大学現代社会学部の論文
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