雑木林の再生法と実生生理―コナラ果実を埋め込む深さ―
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概要
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雑木林を再生しようとする地域活動は,どこでも盛んになってきている(加藤, 1996; 片岡ら,2003;森戸ら, 2003;中川,2004)。林分構成の改善や主林木の更新をめざして,コナラ(Quercus serrate Thunb.) の果実を播いたり,自分たちで育てたコナラの苗木を植えたりする試みがなされている(井本,2005)。現地に種子を播き実生を育成する方法は,苗畑が不要なだけでなく育苗作業も要らないので,メリットが大きい。こうした播種造林の実施においては,種子や実生の生理の面から検討しておくべき事項が少なくない(阿部・橋本,2000)。よく知られているように,ナラ類の果実は乾燥害を受けやすいため(広木・松原,1982;佐々木・安養寺,1982;北畠, 2001;柏木ら,2003),開放的な場所や林冠疎開度の大きい場所では,ある程度の深さに果実を埋め込む必要がある。しかし,浅すぎても深すぎてもマイナス効果が予想される。浅いと乾燥害にかかりやすく,深いと種子の発芽遅延や腐敗などが懸念される。実生の発生や成長の促進をはかるうえで最適の深さがどれくらいであるかを知るため,果実を埋める深さを変えて試験をおこなった。実生の発生や成長について調べ,生理過程と関連づけて若干の考察をおこなった。
- 岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センターの論文
- 2006-03-25
岩手大学農学部附属寒冷フィールドサイエンス教育研究センター | 論文
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