セイヨウナシ'越さやか'における追熟中の果実特性の変化ならびにフィルム包装が果実追熟に及ぼす影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
The peel color index and soluble solid concentration of 'Koshisayaka' pears after harvest increased during ripening at 20°C, while the flesh firmness, elasticity coefficient, viscosity coefficient and elasticity index of the fruit decreased. When the fruit reached the edible-ripeness stage 12 days after harvest, the values of those characteristics were 9.3 (peel color index), 12.7 Brix % (soluble solid concentration), 1.4 N (flesh firmness), 1.8 × 106 (elasticity coefficient) and 1.1 × 107 (viscosity coefficient). In addition, the elasticity indices that were calculated from the frequency of second resonance and the third resonance were 9.5 × 106 and 17.4 × 106, respectively. Film packaging of the pear fruit resulted in inhibition of moisture loss, yellowing of the peel, softening of the flesh and saccharification of starch during ripening. The characteristics of the film-packaged fruit 12 days after harvest were 3.7 (peel color index), 20% (potassium iodide reaction), 12.5 N (flesh firmness), 15.0 × 106 (elasticity coefficient), 15.0 × 107 (viscosity coefficient), 29.5 × 106 (Emf2) and 66.2 × 106 (Emf3). These findings clarify the ripening characteristics of 'Koshisayaka' pear fruit and the delaying effect of film packaging on fruit ripening. The delaying effect on fruit ripening is suggested to be due to decreased level of oxygen in film. Furthermore, the possibility of a nondestructive method for estimating the ripening stage is suggested by the correlation between the elasticity index and fruit softening.越さやか'の果色値および可溶性固形物濃度は追熟中に上昇し,果肉硬度,弾性率,粘性率および弾性指標は低下した.果実が収穫後12日に適食状態に達した時の果実特性の値は,9.3(果色値),12.7 Brix%(可溶性固形物濃度),1.4 N(果肉硬度),1.8 × 106(弾性率)および1.1 × 107(粘性率)であった.さらに,f2およびf3から算出した弾性指標は9.5 × 106(Emf2)および17.4 × 106(Emf3)であった.一方,収穫後の果実へのフィルム包装は水分消失,果皮の黄化,果肉の軟化,ならびにデンプンの糖化を抑制した.収穫後12日におけるフィルム包装した果実の果実特性は,3.7(果色値),20%(ヨードカリデンプン反応),12.5 N(果肉硬度),15.0 × 106(弾性率),15.0 × 107(粘性率),29.5 × 106(Emf2)および66.2 × 106(Emf3)であった.以上の結果から,'越さやか'果実の追熟特性ならびにフィルム包装による果実の追熟抑制効果が明らかになった.この追熟抑制効果はフィルム内の酸素濃度の低下によることが示唆された.また,'越さやか'の弾性指標が果肉の軟化とともに低下したことから,非破壊計測技術による熟度推定の可能性が示唆された.
- 園芸学会の論文
著者
関連論文
- 低温処理期間の違いが追熟中のセイヨウナシ'ル・レクチェ'の果実特性に及ぼす影響
- アスパラガスの若茎におけるインドール-3-酢酸の移動と代謝
- ニホンナシ'幸水'におけるポリプロピレンフィルムが共鳴周波数の計測に及ぼす影響
- ニホンナシ'幸水'、'新高'および'新興'におけるMA包装が果実貯蔵に及ぼす影響および貯蔵期間中の弾性指標のモニタリング
- 追熟中のセイヨウナシ'ル・レクチエ'における非破壊法による果実特性の評価(普及・教育・利用)
- セイヨウナシ'越さやか'における追熟中の果実特性の変化ならびにフィルム包装が果実追熟に及ぼす影響
- サイトカイニンの標識標品の保持特性と質量スペクトル
- エチレン処理したセイヨウナシ'ル・レクチェ'における追熟温度と積算温度との関係
- 収穫期がアスパラガス(Asparagus officinalis L.)若茎のポリフェノール含量に及ぼす影響
- 追熟中のセイヨウナシ'ル・レクチエ'における非破壊法による果実特性の評価(普及・教育・利用)
- ニホンナシの新梢における摘心と摘葉が花芽着生抑制に及ぼす効果(栽培管理・作型)
- 追熟前のセイヨウナシ'ル レクチエ'における弾性指標と果肉硬度の関係
- 自家和合性ニホンナシにおける結実性の品種, 系統間差
- エチレンあるいは低温処理がセイヨウナシ'ル レクチエ'の追熟過程の果実特性に及ぼす影響(収穫後の貯蔵・流通)
- セイヨウナシ'ルレクチエ'果実の追熟における弾性指標の変化
- ニホンナシ'新興'枝変わり系統の自家和合性
- セイヨウナシ'ル レクチエ'の果実における追熟温度と果実特性の関係
- ニホンナシ自家和合性の新品種を想定した省力結実管理方法の検討
- セイヨウナシ'ルレクチエ'の果実の追熟におけるエチレン処理の効果
- キンバエ類を利用したニホンナシの自家和合性検定法
- ブドウ'藤稔'の人為的無核果形成過程における内生サイトカイニンおよびアブシジン酸の挙動
- (50)セイヨウナシの果実病害に対する袋掛けの効果(関東部会講演要旨,平成19年度地域部会講演要旨)
- 知っていたい、こんな品種(45)日本ナシの受粉用品種「新生」
- 不織布ポットと台木の種類がカキ'平核無'の樹体生育、果実収量、品質に及ぼす影響
- 知っていたい、こんな品種(25)新潟県特産の西洋ナシ「ル レクチェ」
- 茎頂培養マンシュウマメナシ台木への緑枝接ぎによるセイヨウナシポット苗生産
- ニホンナシS4^ハプロタイプ特異的マーカーによる自家和合性個体の選抜
- 安定生産のための栽培技術--新潟県における新品種「あきづき」の栽培技術 (特集 日本ナシ産業を展望する)
- セイヨウナシ新品種「越さやか」
- ニホンナシ枝変わり系統の倍数性判別
- 2種類のHPLCカラムで精製したニンニク(Allium sativum L.)のインドール-3-酢酸,アブシジン酸およびジベレリンのGC-MS分析
- LC-MS-SIMの高感度の設定条件
- 植物ホルモンの網羅的分析のためのLC-MS-SIMの条件の検討
- 免疫局在法を利用した植物ホルモンのイメージングキュウリの子房内のホルモン
- 園芸作物の雪利用の長期貯蔵の生理
- キュウリ果実におけるオーキシン代謝
- 1. ニンジンの根のインドール酢酸の内生量と移動
- ダイオードアレイ検出器による拡散性IAAの解析
- 単為結実性トマト果実の内生植物ホルモン
- 植物ホルモンの定量のためのLC-MS-SIMの設定
- キュウリ果実におけるインドール酢酸の内生量と移動
- トマト苗における環境条件の拡散性IAAへの影響
- メタノール濃度およびカラム温度がアブシジン酸、インドール-3-酢酸およびゼアチンの保持時間におよぼす影響
- トマトの茎におけるインドール-3-酢酸の極性輸送と代謝
- パルス磁場処理したニンニクにおける萌芽抑制と内生ジベレリン濃度の関連
- 追熟開始後のセイウナシ'ル レクチエ'におけるエチレン処理の影響
- セイヨウナシの新梢の花芽形成におよぼす台木の影響
- セイヨウナシ新品種'越さやか'の結実特性
- 52. 植物ホルモンのLC-MSによるマススペクトル(第35回大会研究発表抄録)
- LC-MS による植物ホルモンの標品の質量スペクトル分析
- 植物ホルモンのLC-MSによるマススペクトル
- アスパラガス若茎とオレンジ果実の内生IAAとABAの分布と変動
- ストレプトマイシン処理によるブドウ '藤稔' の無核果形成過程における内生植物ホルモンの変動
- 西洋ナシの「ル・レクチエ」--果実の成熟生理と追熟
- 新潟県特産西洋ナシ「ル レクチエ」 (特集 特産果実を探索する)
- オウトウのポット栽培による早期多収技術
- 「ラ・フランス」より早く収穫できる西洋なし新品種「越さやか」
- 収穫期が早く、作りやすい セイヨウナシ「越さやか」 (特集 果樹の新品種とその特性)
- 新潟県在来ウメ品種の結実特性
- 単為結実性トマト品種'ルネッサンス'の果実発達における内生植物ホルモン(ABA、CKsおよびIAA)の変化
- 内生植物ホルモンの定量用のHPLCカラムの特性
- 植物ホルモンの分析に用いるHPL カラムの諸特性
- 園芸作物からの拡散性IAAの分析
- 植物ホルモン分析のためのHPLCカラムの半値幅などの特性
- 液体クロマトグラフィー質量分析計を使用した果実の植物ホルモンの同時分析
- セイヨウナシ'ル・レクチェ'における低温貯蔵中の弾性指標と水分消失との関係
- セイヨウナシの新梢における拡散性インドール-3-酢酸(IAA)の分析
- 果実の相関的な優勢現象
- 園芸作物からの拡散性IAAの分析
- 固相抽出用ミニカラムの植物ホルモン精製時の使用条件
- トマト植物体のIAAの分布と移動
- トマト植物体のIAAの極性移動
- 果実と蔬菜の発育の生理学的研究 : -成長期の植物ホルモン及び成熟期の軟化機構-
- 果実と蔬菜の発育の生理学的研究 : 生長期の植物ホルモン及び成熟期の軟化機構
- 液体クロマトグラフィー質量分析計を使用した果実の植物ホルモンの同時分析
- セイヨウナシ「ル レクチエ」の品質向上のための優良系マメナシ台木の利用と自然分解性ポットを用いた苗木生産
- メタノール濃度およびカラム温度がアブシジン酸,インドール-3-酢酸およびゼアチンの保持時間におよぼす影響
- 低温処理期間の違いが追熟中のセイヨウナシ‘ル・レクチェ’の果実特性に及ぼす影響
- 単為結実性トマト品種‘ルネッサンス’の果実発達における内生植物ホルモン(ABA、CKs およびIAA) の変化
- トマトの茎におけるインドール-3-酢酸の極性輸送と代謝
- エチレン処理したセイヨウナシ'ル・レクチェ'における追熟温度と積算温度との関係
- アスパラガスの若茎におけるインドール-3-酢酸の移動と代謝
- 収穫期がアスパラガス(Asparagus officinalis L.)若茎のポリフェノール含量に及ぼす影響
- セイヨウナシ'ル・レクチェ'における低温貯蔵中の弾性指標と水分消失との関係
- セイヨウナシ'越さやか'における追熟中の果実特性の変化ならびにフィルム包装が果実追熟に及ぼす影響
- 可視・近赤外分光法とニューラルネットワークによるセイヨウナシ'ル・レクチェ'の渋味判定