身体的ガイドを用いた左手箸操作練習 : 箸操作技能と学習効果の関係
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概要
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本研究では,箸操作技能の違いが左手箸操作練習における身体的ガイドの効果に及ぼす影響について検討した.対象は理学療法学科2年生40名である.箸操作について10分間の指導を行った後, 6分間の左手箸操作による数珠玉移動個数を評価した(1回目評価).次に,身体的ガイドを装着して2回目評価を実施した.最後に,身体的ガイドをフェイディングしながら10分間の箸操作練習を実施し,終了後3回目評価を実施した.1回目評価の数珠球個数が中央値以上を技能良好群,未満を技能不良群として分類し,箸操作技能の違いが身体的ガイドの効果に与える影響を検討した.2-3回目の数珠玉個数増加量と初回数珠玉個数の間に有意な正相関(rs=0.567)を認めた.逆に,1-2回目の数珠玉個数増加量と初回数珠玉個数の間には相関を認めなかった(rs=0.025).技能不良群では,身体的ガイドが有効に機能した群で1-3回目間の数珠玉個数増加量は有意に大きく(無効群7個有効群29個;p<0.05),2回目評価における数珠玉個数と1-3回目間の数珠玉個数増加量の間には,rs=0.708の有意な相関を認めた.一方,技能良好群内では,身体的ガイドは練習成績に影響を与えなかった.以上のことから,開始時点で箸操作技能が良好な対象者ほど,反復練習が有効に機能するものと考えられた.動作技能が不良な場合,身体的ガイドによって箸操作が可能な状態にした上で反復練習をさせることが必要である.
- 高知リハビリテーション学院の論文
- 2007-03-31
高知リハビリテーション学院 | 論文
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