不安によって身体活動が困難となった患者に対する応用行動分析学的介入
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概要
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胸部外科術後に極度の呼吸困難感を経験した後,呼吸機能の回復が得られたにもかかわらず呼吸苦を訴え,離床や非侵襲的人工呼吸器からの離脱が困難になった肺嚢胞症患者を経験した.この症例に対して,歩行量の増加を目的とした応用行動分析学的介入を行い,その効果について検討した.介入では,不安を軽減するために人工呼吸使用時間について自己決定を行わせ,嫌悪刺激を除去した.そして安静に拮抗する行動として歩行量の増加を目標行動とした.介入としては,先行刺激の明確化と強化刺激の整備を実施した.介入開始後,歩行量は増加し,非侵襲的人工呼吸器からの離脱が可能となった.退院後歩行量は一時的に減少したが,退院後11週目以降に歩行量は増加し,練習行動も定着した.以上のことから,本症例に対する応用行動分析学的介入は歩行量を増加させ,回復につなげる上で有効に機能したものと考えられた.
- 高知リハビリテーション学院の論文
- 2005-03-31
高知リハビリテーション学院 | 論文
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