石油業会計と恣意性
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
【要旨】20世紀初頭に石油業はそれまでの採掘を主とした鉱業から連産品を生み出す精製業へと転換した。当時, 石油業会計は企業ごとにその処理を異にした。石油鉱業では採掘のコストだけを問題にすればよいが, 石油精製業は精製とともに, 輸送やマーケティングのコストを考慮しなくてはならなかった。同じ石油業であっても, 業務によって会計上の主要問題は異なったのである。石油は連産品であるが, 原油の原価を各製品にどう配分するかが分からない。また, 原価は変動するが, どの時点の仕入原価を配分の基礎とするかも不明であった。石油業会計は恣意的で, 必ずしも実体と対応しない点があったのである。会計ルールが創られたのはこのような状況を考えてのことである。ルールを決あて, それに従いさえすれば会計上, 正しいといえる。つまり, 実体的正しさでなく, 手続的公正さである。このように本稿はデュー・プロセスが石油業会計を支えるようになったことを明らかにした。 【Abstract】 This paper provides the role of due process in development of petroleum industry. In 20th century petroleum industry was translating from mining to refining, gasoline, benzine and light oil was produced out of crude oil. Petroleum was joint products difficult to predict product cost. And joint costs itself was changing with purchased cost. Allocation problem in petroleum accounting was arbitraries and had been suffering from uncertainties. However in 1936, American Petroleum Institute was ruling uniformity, weighted procedual justice than fundamentals. In this result, accounting in petroleum industry is based on due process regardless toarbitraries.
- 近畿大学商経学会の論文
近畿大学商経学会 | 論文
- ME技術が労働の質に及ぼす影響--製造業のケ-スを中心として
- オ-トメ-ション技術が労働の質に及ぼす影響--火力発電所のケ-スを中心として
- 第1次石油危機以降の日本における失業の深刻度の動向と変動要因
- 第1次石油危機以降の日本における失業の深刻度の動向
- 日本型CIOの条件