4・5齢期の飼育温度と食下量および消化量の関係
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概要
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4・5齢期における飼育温度(18,22,26および30℃)が食下量,消化量および虫・繭質に及ぼす影響について試験した結果を要約すればつぎのとおりである.1)4齢期は飼育温度の高低(18~30℃)による蚕の食下量および消化量の変化に明らかな傾向を認めがたいが,5齢期では温度が高くなるにつれてこれらは少なくなり,これに平行して繭重および繭層重が軽くなる.2)4繭期の低温(18℃)は繭重および繭層重とくに後者を軽くし蚕の死亡率を高めた.3)飼育温度の高低による単位時間あたりの食下量増減の程度は4齢が5齢より大きく,また両齢ともに齢の初期において大きい.4)4,5齢ともに積算食下量が多くなるにしたがい消化率は次第に低下する.消化量と食下量の関係はy=bxasp(alpha)の関係式にあてはまり,その係数は本試験においては飼育温度の高低にかかわりなく一定であった.5)蚕体重の推移は4齢では消化量の推移と全く一致し,5齢では食桑経過時間のほぼ1/3までは4齢と同様に一致するがその後は次第に体重の増加量が消化量のそれより低くなる.この関係はy=bxsup(alpha)で示され,その対数で図示すると4齢は1相であるが5齢は3相となる.
- 農林省蠶絲試驗場の論文
- 1964-09-00