スギ製材品の高温低湿処理によるドライングセットと脱水量について
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概要
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スギ正角材の高温低湿処理によるドライングセット試験とスギ正角材および平角材の高温低湿処理による脱水量試験を行い、処理時間の違いによるドライングセットならびに断面寸法と処理時間の違いによる脱水量について検討した。得られた結果は以下のとおりである。ドライングセット試験における高温低湿処理材と無処理材の同様な含水率での収縮率を比較すると、12時間処理の収縮率は、含水率約20%で約0。9%、含水率約12%で約1。6%、全乾時で約2。4%、無処理に比べてそれぞれ小さくなった。また、24時間処理では、含水率約18%で約1。1%、含水率約12%で約2。0%、全乾時で約3。0%、無処理に比べて小さくなった。高温低湿処理時間の違いを全乾時の収縮率で比較すると、24時間処理は12時間処理材よりも0。6%、収縮率は小さくなった。また、12時間処理、24時間処理とも処理後、いずれの試験材にも材面割れが発生したが、割れの発生量は同様で処理時間による大きな差は認められなかった。脱水量試験における実大材の重量の減少量は、いずれの材種においても生材重量が重いほど、処理時間が長いほど大きくなった。材種による減少率を比較すると、11。5cm、13cm、16cmの各正角材の減少率は、12時間処理で約15%、24時間処理で約23%と同様な減少率であったが、平角材では12時間処理で約10%、24時間処理で約16%と正角材に比べて減少率は小さくなった。
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