川俣湖におけるヤマメ、イワナの遊泳層と食性について
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概要
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(1)川俣湖(人工湖)において、1975年、1976年の夏季に、マス類を主な対象とした刺網漁獲調査を実施し、各魚種ごとの遊泳層ならびに食性について結果をまとめた。(2)ヤマメ、イワナの遊泳層は、ほぼ同一とみることができ、10。5℃~16。8℃の水温帯にあって、なかでも、13℃~15℃が分布の中心とみられた。ニジマスは、放流後まもない個体であったためか、遊泳層はヤマメ,イワナに比較し、より高温を好む傾向がみられ、分布の中心は、16℃~17℃であった。(3)ヤマメ、イワナともに食性に大きな差はなく、両者ともに湖中に多いとみられるヨシノボリ仔魚、Daphnia longispinaを主餌料としていた。ヨシノボリ仔魚を捕食していた個体の比率は、1975年に比べ1976年の方が高かった。このほか、ヤマメでは、ホンモロコ、イワナではモツゴ、ドジョウ、ウグイ、Gammarus SP。をそれぞれ捕食しており、イワナの方がより沿岸性の餌料を好む傾向があった。(4)餌料に対する選択性は、ヤマメ、イワナではかなり強く、ヨシノボリ仔魚を捕食していた個体からは、Daphnia longispinaは見い出すことはできなかった。ただし、Daphnia longispinaを捕食していた個体からは、若干のユスリカ幼虫、蛹が含まれていた。放流後まもないと思われるニジマスの食性は、ヤマメ、イワナと比較し、より表層の餌料を好む傾向にあり、ヨシノボリ仔魚を捕食している個体は見い出せなかった。
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