人工採苗アユ放流効果試験
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概要
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47年度~48年度 1)箒川粕尾川の二河川について、人工採苗アユ、湖産アユの混合放流を行ない、一連の調査を行なった。2)調査は、環境調査、試験漁獲調査、漁獲カード調査(47年)漁獲日誌調査、解禁日調査(48年)の項目について実施した。3)調査河川の環境については、箒川の中下流部で若干、有機汚染が認められた。4)両河川における両種苗の採捕は、人工採苗アユが湖産アユよりも放流が早く行われているにもかかわらず、採捕率が低い結果となった。5)成長肥満度についても、人工採苗アユは湖産よりも劣っている結果となった。6)48年度の粕尾川漁獲日誌より、人工採苗アユは湖産アユに比べて、滞留性が劣るのではないかと思われた。49年度 1)箒川一河川について、人工採苗アユ放流後の棲息マス類による捕食の実態調査、並びに、人工採苗アユ湖産アユの混合放流による試験を実施した。2)アユの捕食実態調査に併行して、室内捕食実験についても調査を実施した。3)調査水域においては、アユ捕食の実態は確認されなかった。4)止水による室内実験では、必ずしも游泳力のる魚が捕食の対象となる事はなかった。5)流水による室内実験では、遊泳力の劣る魚種(錦ゴイ)が速かに捕食された。6)アユの放流効果試験については、6月上旬~7月下旬に、湖産アユが、それ以後では人工採苗アユが多く採捕され、8月上旬には、両種苗の関係は、当初とは逆の結果となった。7)試験漁獲調査の結果より,放流アユの成長は、湖産アユの方が若干良い様であった。50年度 1)板穴川において、ニジマスによる捕食試験を実施する一方室内についても一連の捕食実験を実施した。2)板穴川の試験区間、約600m間に、ニジマス(平均150g)1500尾を放流し、7日後に、同区内に人工採苗アユ(1。83~1。90g)を放流した。3)アユ放流当日から、ニジマスの採捕を10日間続けて行ないアユの捕食程度を確認した。4)期間中、採補したニジマスは、472尾で、内53尾がアユを捕食しており、その総計は207尾であった。5)ニジマスによるアユの補食強度はアユの放流当日から4日目までが強かった。6)捕食されやすい環境において行なった調査ではあるが、天然水域において、特にアユ放流当初についてはマス類による捕食は充分考えられる。7)捕食実験については、ニジマス、アユ(湖産)を材料にして行なった。8)実験は、1。被食魚の密度による捕食の度合、2。捕食魚の密度による捕食の度合、3。被食魚の体形と捕食の度合、4。ニジマスの消化速度、以上について行なった。9)実験―1では、密度の高い程、捕食されるアユの尾数は多くなるが、捕食率は逆の結果となった。10)実験―2では、密度の高い方が、捕食率が高い様である。11)実験―3では、小さいもの程、捕食され易すかった。12)実験―4では、飽食後、24時間程度で完全に消化された。
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