中国蔬菜産地における農民特権の存在形態
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概要
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園芸生産が飛躍的に増大している途上国における農民特権(農民の自家増殖権)の存在形態とその経営的意義について明らかにするために,2008~2009年に中国の中核的蔬菜産地である山東省への調査を実施した。経営調査と生産費統計分析の結果,次の諸点が明らかになった。1。栽培野菜のほとんどにF1種子が用いられている。2。したがって自家採種が意味をもたないため,良家増殖は栄養繁殖によらざるをえない。3。実際の方法として確認できたのは,栽培した野菜からわき芽などを切り取り,日本種の台木に接ぎ木する方法による自家増殖である。この方法は汎用性が高いと思われる。4。自家増殖は,高価な外国産種子の場合には一定の種苗費節約効果をもつ。5。しかし,投資額が大きく種苗費比率が相対的に低い先進的な園芸経営にとっての経営的メリットは小さい。6。しかも,この方法には品質低下や病虫害の発生などのリスクが考えられるので,市場競争が激しくなれば,消滅していく可能性が大きい。
- 千葉大学園芸学部の論文
- 2012-03-00
千葉大学園芸学部 | 論文
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