4年生少花粉スギ苗木2家系における木材性質の評価
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概要
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林木育種において,苗木の木材性質及び曲げ性能の評価は,材質優良家系の早期選抜のために重要である。本研究では,4年生少花粉品種由来のスギ2家系(南会津4及び東白川9)を用いて,木材性質及び曲げ性能を評価し,材質の早期選抜の可能性を検討した。成長形質,木材性質及び曲げ性能に関して,使用した2家系間に有意な差が認められた。容積密度及び晩材仮道管S2層ミクロフィブリル傾角(MFA)は,スギ未成熟材における過去に報告された値とほぼ同様の値(30°)を示した。苗木の曲げヤング率(MOE)は,気乾密度及びMFAと関係があったことから,MFA及び気乾密度によって,MOEを早期推定できることが示唆された。しかしながら,供試した材料のほとんどに圧縮あて材が存在していた。そのため,苗木を用いてMFAを指標として材質を早期評価するためには,圧縮あて材の存在に注意すべきであることが明らかとなった。
- 宇都宮大学農学部の論文
- 2012-03-00
宇都宮大学農学部 | 論文
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