原料サバの凍結保存条件が冷凍すり身品質へ与える影響
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概要
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石巻魚市場に水揚げされた体重300g前後の小型サバを原料として,冷凍保存時の形態(ラウンド,ドレス,フィレー)及び浸漬溶液の重曹濃度を変えた冷凍ブロックを作成し,一定時間経過後にその原料からすり身を製造し,その品質を評価した。1)原料形態別の重曹溶液への浸漬による魚肉pHの変化は,フィレー,ドレス,ラウンドの順に重曹溶液の影響を受けやすかった。また,重曹濃度が高いほど魚肉pHはアルカリ側に傾いた。2)ドレス形態及びフィレー形態で保存した原料からは比較的弾力のあるすり身が得られ,これに重曹を添加することで,さらにゲル形成能の高いすり身を作ることが出来た。3)フィレー形態の重曹濃度5%処理区では,魚肉pHが既に中性付近まで上がっていたことから,pH調整した冷凍ブロックを用いることにより,赤身魚すり身製造工程中の課題であった水さらし時のpH調整を省くことが出来る可能性が示唆された。4)ラウンド形態で凍結した原料からはよい弾力のすり身は得られなかったが,これは内臓由来の消化酵素等がミオシン重鎖を分解していることが原因と考えられ,内臓を取り除くことで,ドレス形態及びフィレー形態と同等のゲル形成能をもつすり身が得られた。
- 宮城県水産研究開発センターの論文
- 2011-03-00
宮城県水産研究開発センター | 論文
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