大阪における2000~2007年度の湿性沈着および乾性沈着の化学成分
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概要
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8年間を通じた調査の結果,湿性沈着量(mmol/m2)の順位は,多い方からNH4+>H+>NO3->SO4 2->Cl->Na+>Ca2+>Mg2+>K+であった。年度VWMのpH(中和後の酸性度),pAi(中和前の酸性度),pHe(有効酸性度)は,それぞれ4。55~4。82,4。19~4。46,4。11~4。32であった。粒子状およびガス状成分濃度(nmol/m3)の順位については,それぞれNH4+>NO3-,SO4 2->Na+>Cl->Ca2+>Mg2+>K+およびNH3>SO2>HCl,HNO3であった。硝酸塩,塩化物,アンモニウムに係わる粒子状とガス状成分濃度には明白な季節変動があった,すなわち,HNO3とHClのガス状成分は,それぞれ,冬で約10%と20%,夏で約70%と90%であった。NH3のガス状成分は,冬で約50%から夏で約80%であった。SO2のガス状成分は,他のガスほど明瞭な季節変動は示さないものの,冬にはやや高かった。黄砂時には,降水中のCa2+,K+,Mg2+,SO4 2-,NO3-が増加する一方で,海塩成分であるNa+,Cl-およびNH4+の減少がみられた。大気汚染物質濃度が黄砂の影響を受ける程度は,SPM>PM2。5>SO2>NO2,CO>Oxの順であった。黄砂飛来日の後方流跡線解析では,ほとんどがアジア大陸からであり,その高度は6000m以下で広く変化していた。最も多い湿性沈着(nss-SO4 2-,NO3-,NH4+,nss-Ca2+)のあった日をはさんだ3日間の大気汚染物質(NO2,Ox,SPM,SO2)濃度および降水量との関係や後方流跡線解析により検討したところ,NO3-,NH4+の高濃度沈着の原因が分かった。
- 大阪府環境農林水産総合研究所の論文
- 2009-03-00
大阪府環境農林水産総合研究所 | 論文
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