Comparison of cell wall pectic polysaccharides in flesh extracted with water and hot water from various fruits.
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概要
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果肉からペクチン性多糖類を水で抽出するにあたって,抽出温度の違いが抽出される多糖類の構成に及ぼす影響の有無を検索することを目的として,植物分類上,13科に属する24種の果実の果肉を用いて,アルコール不溶性固形物を水または熱水で抽出し,得られた多糖の量,それぞれの画分に含まれるウロン酸およびペントースの量的な比率の比較を行った。用いたすべての果実で,熱水画分のウロン酸含量は水画分のウロン酸よりも明らかに多く,両画分の差が特に大きかったのは,リンゴ,ウメ,スモモ,イチゴ,オレンジ,レイシ,およびグズベリーであった。熱水画分のペントース含量は水画分よりやや多く,両画分の差が比較的大きかったのはパイナップル,マンゴスチン,リンゴ,ウメ,スモモ,およびレイシであった。 水または熱水抽出後の不溶性残さをEDTA,HCl で順次抽出したところ,水抽出後の塩酸画分に比べて,熱水抽出後の塩酸可溶性画分が著しく少なかった。水抽出後に塩酸で抽出される画分の一部が熱水で抽出されることから,水抽出後の塩酸画分には,熱水可溶性画分と熱塩酸可溶性画分が含まれていると推定された。熱水で抽出される多糖類は水で抽出される多糖類よりもペントースに対するウロン酸の割合が高かった。また,ゲルろ過の結果から,熱水で抽出される多糖類と,水で抽出される多糖類とは,中性糖の分子量分布に違いがあることが明らかにされた。
- 弘前大学農学生命科学部の論文
- 2002-03-27
弘前大学農学生命科学部 | 論文
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