ハイドロタルサイトを用いた地熱水中からの砒素・シリカの同時除去
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概要
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地熱発電所において,地熱水から蒸気分離された後の還元水には,排水基準以上のAsやシリカスケールの問題を引き起こす多量のシリカが含まれている.本研究では,地熱資源有効利用システムの構築を目指し,無機陰イオン交換体であるハイドロタルサイトを用いて,地熱発電所で湧出する地熱水からのAsとシリカの同時除去に関する基礎的検討を行った.ハイドロタルサイトにより処理することで,Asとシリカを同時に減少させ,As濃度を排水基準の0.1mg/l以下に,シリカ濃度をシリカスケールの発生を防止できる100mg/l以下にすることができ,その除去率は25〜80℃の温度範囲ではほとんど変わらなかった.焼成処理を行った焼成ハイドロタルサイトを用いることで,より効率的な除去が可能であることがわかった.また,除去処理後の残渣を60℃で乾燥することで,As・シリカはほとんど再溶出しなかった.At geothermal plant, the geothermal water after separation contains high level of As over Japanese effluent standard level and much silica to cause silica scale. In order to establish the effective utilization system for geothermal resources, we tried to remove As and silica from geothermal water, simultaneously, using inorganic anion exchanger, hydrotalcite. The treatment of geothermal water with hydrotalcite could remove As and silica, simultaneously, and As and silica concentrations dropped to below Japanese effluent standard level (0.1mg/l) and the level to prevent silica scale (100mg/l), respectively, in the range of temperature between 25℃ and 80℃. Calcined hydrotalcite indicated more effective removals of As and silica than non-calcined hydrotalcite. The residue after the treatment mostly retained As and silica, which was removed from geothermal water, by heating at 60℃.
- 一般社団法人日本応用地質学会の論文
- 2009-04-10
一般社団法人日本応用地質学会 | 論文
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