フキノトウの抗肥満効果に関する研究
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概要
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メタボリツクシンドロームは内蔵脂肪型肥満を共通の要因として高血糖、脂質異常、高血圧が引き起こされる状態である。内臓脂肪型肥満の予防は生活習慣病の発病を抑え健康の維持に役立つのみならず、医療費の抑制など社会的にも極めて大きな課題となっている。現在、様々な食品に存在する抗肥満因子の探索が世界中で活発に行われている。代表的な抗肥満因子を有する食品資源として茶カテキン、ケルセチン、イソフラボンなどに代表される多様なフラボノイド化合物がある。しかしながら食資源の種類は膨大で、いまだに抗肥満因子の探索が実施されていない食資源も多い。抗肥満研究に最も多く用いられているマウス由来3T3-L1前駆脂肪細胞を用いた実験と高脂肪食により誘導された肥満マウスを用いた実験を実施し、フキノトウの抗肥満効果について検討した。その結果、フキノトウのエタノール抽出エキス(PJET) が細胞レベルで3T3-L1前駆脂肪細胞の脂肪細胞への分化抑制を顕著に示すことを顕微鏡観察により示した。フキノトワ熱水抽出エキスでは抑制効果が認められなかったが、フキノトウエタノールエキスを10μg/ml添加することにより極めて強力な抑制効果が認められ5μg/ml添加でも明確に認められた。これらの結果は脂肪滴のオイルレッドOの染色結果から定量的に示された。さらに脂質合成に関する主要な酵素GPDH活性の測定結果からもその効果の裏付けが確認された。以上の実験で分化抑制は5μg/mlの低濃度でも明確に認められ、フキノトウエタノールエキスの強力な抑制効果が明らかになった。
- 2010-10-00
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