自発摂餌システムを用いたマハタ養殖の試み
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概要
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新しい養殖対象種であるマハタについて,自発摂餌システムを用いた養殖技術開発を目的とした試験を行った。稚魚(魚体重5.2g~157.7g)を用いた室内での飼育試験では,稚魚が速やかに自発摂餌を開始すること,さらに対照区である手撒き給餌や自動給餌と飼育成績を比較したところ,より効率の良い給餌が可能であることが明らかになった。また,稚魚における適正な報酬量設定は,総魚体重の0.06%と考えられた。マハタ1歳魚(魚体重167g)を用いた試験では,残餌の発生を防ぐための報酬個数は,1尾あたり1個程度が目安であること, 魚体重52gの稚魚を用いた,明るさと残餌の関係を調べた試験では, 照度が低いほど残餌発生率が大きくなり,01xでは13%近くが残餌となることから, 残餌の発生をできるだけ防ぐには10lx以上の明るさが必要であることが明らかになった。これらの結果を受け,自発摂餌システムの実用化を目指した海面飼育試験を行ったところ,海面生簀においても自発摂餌システムの作動の安定性を確保することで,手撒き給餌並みの飼育成績を残せることが明らかになった。
- 三重県水産研究所の論文
- 2011-03-00
三重県水産研究所 | 論文
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