少花粉ヒノキ(岐阜県産精英樹:益田5号)のさし木におけるIBA処理濃度が発根率・発根量に及ぼす影響
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概要
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社会問題化しているスギ・ヒノキ花粉症に対する林木育種面からの対策として,花粉飛散量の多い年でもほとんど花粉を生産しない品種の利用がある。県内には,形質,成長を基に選抜されたヒノキ精英樹が31品種あり,このうちの2品種(益田5号,小坂1号)が2007年に独立行政法人森林総合研究所によって,花粉の少ない品種(少花粉ヒノキ)に認定された。目的とする性質を受け継いだ個体を増殖するには,クローン増殖が適している(町田,1974)。さし木は,クローン増殖の中でもさし穂が充分に確保できれば簡単な操作で一度に多数の苗が得られるので,事業化に適した技術である。しかし,さし木苗の生産性に大きな影響を及ぼすさし穂の発様性については,樹種や品種によって劣るものがあり(町田,1974),ヒノキにおいても品種によって異なる(山崎ら,1992) ことが報告されている。本報告では, ヒノキのさし木で発根促進効果が報告されているIBA液剤(福島,1988)の処理濃度の違いが,少花粉ヒノキ益田5号(岐阜県産精英樹)の発根率・発根量に及ぼす影響を調査した。また,良い苗木の条件として,発根量が多いこと,細根が発達している(根の分岐の多い)こと(塘,1965) があげられている。これらを客観的に評価するには,苗木の根を切断して重量を測定する,あるいは時間をかけて根の長さを測定するといった苗木に大きな負荷を伴う測定が必要である。これらの方法にかわる簡便な評価方法を見つけ出すための基礎資料を得る目的で,今回測定した発根量の各項目間の関係を検討した。
- 岐阜県森林研究所の論文
- 2011-03-00
著者
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