沖縄における下水処理水の農業利用の研究
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概要
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本研究の目的は,事業系計画案作成を視野に,下水処理水の塩化物イオン濃度を下げて農業用水として利用するために,新たに那覇処理区の下水管への塩水地下水浸入対策を明らかにするものである。即ち栽培にできるだけ支障の無い程度に下水処理水の塩化物イオン濃度を下げる下水の塩分低下対策を技術的,制度的に検討するとともに,一度低下した塩化物イオン濃度が下水管の破損で再び上昇する場合に必要となる高塩分時に対応する営農方法や,再生水を製造する再生水製造プラントの管理を検討する。また,これらの結果を踏まえ,今後再生水を農業利用する場合に一般的に利用できる指針や手法等をまとめる。 まず,下水の塩分低下対策については,下水の塩化物イオン濃度と流量を測定し,下水管の更生を行い塩水地下水浸入を防ぐ管更生案と,排水経路の変更を行い塩化物イオン濃度が低い下水のみを集めて処理するバイパス案を比較検討する。また,この結果を踏まえ,下水の塩分低下対策の指針や塩水地下水浸入区間長の推定手法をまとめる。また,河川管理施設の形状変更を土地改良事業で行った事例を参考に,関係法令の分析等を行い,下水の塩分低下対策のための制度の検討を行う。また,この結果を踏まえ,農業外の管理施設の形状を農業側が変更するための制度の検討手順をまとめる。 次に,高塩分時に対応する営農方法については,塩水生育試験を行い,塩化物イオン濃度の低下目標を確認するとともに,栽培上の留意点,除塩対策及び下水処理水の取水方法の検討を行う。また,この結果を踏まえ,高塩分時に対応する営農方法の指針をまとめる。さらに,再生水製造プラントの管理については,類似の施設の管理等を参考に,通常時と塩分上昇時等について検討する。
- 農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所の論文
- 2011-02-00
農業・食品産業技術総合研究機構農村工学研究所 | 論文
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